普段から文学によく触れていますとは口が滑っても言えない私ですが、「役に立つ」という言葉にもやもやを感じて手に取ってみました。が、読了後は、様々な文学作品に触れることで、確かに役に立っている!と感じさせてくれ、文学に触れてみたくなる1冊です。
タイトルに「何の役に立つのか?」とあるけど世の中に役に立たないものもあるのか?それは受け取る人次第ではないか?と違和感を感じながら読み進めてみました。その中で筆者は役に立つということは価値になることの中の一つでしかないと。となると(〇〇化思考の影響を受けてしまっている)私としては価値になるのは短期的に、長期的に、という時間軸。自分自身に、他人に、社会にとってという対称軸。などを考えてしまいます。。。が、筆者はまとめて「今の世の中で正気を保つため」と冒頭でまとめています。
例えば小説などは、自分自身の問題を、他人を経由して考えることが出来る。すなわち自分自身の中で思考が凝り固まってしまっていることであっても、小説の中の主人公という視点を変えてみることで、自分が抱えてしまっている前提を外すことが出来るかも知れない。。。(役に立っている!笑)
また、私の中の名著である「私とは何かー個人から分人へ」における分人という考え方は、自分らしくあれ、他人とのコミュニケーションをしっかりと、と言われる現在において、自己が一つしかないのであれば対応しきれない。しかし、様々な相手に合わせて分人を使い分けることで、まさに多様性の時代を「正気を保って」生きていくことが出来るのでは、と納得させられ、まさに自分にとって文学が役に立っている!と思った次第です。
選挙を通して社会が分断されつつあるのではと感じずにはいられない現在において、まさに正気を保つために必須の1冊です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?
#文学は何の役に立つのか?
#flierbooklabo
【本記事は、OSIRO社のコミュニティ献本企画に参加し、献本を受けて執筆しました】

2025/07/22 12:27