情報学研究者のドミニク・チェンさんと、コンテクストデザイナーの渡邉康太郎さんのお二人が登壇する待望のflier book campが開講します!

本講座のテーマは、「つたない自分を観察する〜微創造のオートエスノグラフィ」。

なにかの表現を試みるとき、つたない自分のなかで微かな動きを観察してみよう。そこからなにが生まれるのか。4ヶ月間の自分の変化や気づきに向き合うこの過程を一緒に楽しみましょう。

\ 申込期間:3/6~3/25 /



ー 目次 ー
1. 開講記念ウェビナー
2. このワークショップの想い
3. 講座カリキュラム
4. 申込詳細(開講日時・金額・受講形式)
5. 講師プロフィール
6. 参加者の声
7. 確認事項



1. 開講記念ウェビナー


【日時】3月14日(木)12:00-12:55
【ゲスト】ドミニク・チェン氏、渡邉康太郎氏
【ファシリテーター】久保彩
申込みフォーム:https://forms.gle/126kRvysSjjVhWQX9 

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2. 講座への想い

つたない自分と微創造

あたらしい表現行為にとりくむとき、最初から上手な人はいません。多くの人が戸惑ったり、苦手意識を持ったり、時には恥ずかしさを感じたりするものです。でも、自分にブレーキをかけるこういった反応を、一度脇に置け措けないでしょうか。むしろ、つたない自分を肯定し、慈しみ、うまくつきあうことで、さまざまな表現の世界に身を投じることができるのではないでしょうか。

また、わたしたちは意識的に表現をするということ以外にも、無意識になにかを表現してしまっているという側面も持ち合わせています。メモ帳に落書きをする度におもわず反復しているモチーフ、気づかないうちに口ずさんでいるメロディ、または夕暮れ時の空をふと目にした時に沸き起こる、言葉にならない衝動。一人ひとりの体の特性や経験の固有性とからまりあって、どうしようもなく、自動的に漏れ出してくる微かな動き。このような微創造(microcreativity)は、もしかしたら「つたない」と自分でジャッジし、却下している行為のなかに埋もれている財宝なのかもしれません。目に見えない体内の微生物たちのように、自分たちが日々気づかないうちに共生しながらも見逃している表現のコロニーを見つけ、そこで起こっている微細な生成現象に気づけるようになれば、「表現」という言葉の射程は自意識だけではなく無意識や他者をも含む範囲まで拡がるでしょう。

オートエスノグラフィ/自分の観察

このワークショップは、成長、達成や完成といったわかりやすいゴールを定めません。自分自身に過度な期待をせず、ただ取り組む。技術や練度が満たない稚拙な状態を、そのまま見つめます。自らのつたなさや無意識の挙動を受け容れ、取り組みのプロセスそのものを愉しみながら、自身のなかで起こっている微創造を観察することを目的とします。

成長、達成や完成そのものは、本来喜ばしく、否定されるものではありません。ただそれが実現できないとき、苦しくなってしまうことも事実です。ここでは、ゴールに重きを置くのではなく、表現行為に取り組む自分自身の変化を記録することを主眼とします。その記録には、心身で感じることや、世界の見え方の他にも、たとえば表現行為から連想する思考や他者との会話が含まれるかもしれません。あなたらしい方法で、つたない自分の表現行為についての「観察日誌」をつけてみましょう。

このワークショップのために講師陣は、本文と同じくらい脚注スペースが大きい「観察日誌」のフォーマットを構想しています(下図)。言葉による整理と一緒に、日々のささいな気づきや心が動いた瞬間を記録していきます。ワークショップ開始時には、講師陣からいくつかのフォーマットを提案しますが、その後は4ヶ月の期間を通して、あなただけの日誌フォーマットを育ててもらいます。

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このワークショップのねらい

このワークショップでは全4回を通して、自らのつたない行為を日誌に記述し続け、自分でも気づかないような、微かな創造性の発露を観察していきます。最終日に向けては、いわゆるデザイン講座のように、最終発表のためにものづくりをする課題は出さず、4ヶ月のあいだにそれぞれの参加者の体と心に起こった変化をふりかえり、話し合います。その時、わたしたちは互いが孕んでいるマイクロな創造のプロセスに気づくでしょう。創作に関するアマチュアの方でもプロフェッショナルの方でも、新たに表現行為の一歩を踏み出したい人に奮ってご参加いただければ幸いです。ともに、このあてどない旅路を楽しみましょう!

参考文献
- Desjardins, A., & Key, C. (2020). Parallels, Tangents, and Loops: Reflections on the 'Through'Part of RtD. In Proceedings of the 2020 ACM Designing Interactive Systems Conference (pp. 2133-2147).
- Zhang, X., & Wakkary, R. (2014, June). Understanding the role of designers' personal experiences in interaction design practice. In Proceedings of the 2014 conference on Designing Interactive Systems (pp. 895-904).
- Manzini, E. (2015). *Design, when everybody designs: An introduction to design for social innovation*. MIT Press.


\ 申込期間:3/6~3/25 /


 

 3. 講座カリキュラム

DAY1事前課題:
自己紹介スライドを2枚作成ください。

1)結局下手なままのもの    例:料理、絵、読みかけの本 etc
2)無意識に繰り返していること    例:口癖、手癖、その他の癖、「これ自分だけ?」な感覚


◆DAY1:【ハイブリッド】初回ガイダンスと自己紹介(守)
・参加者の自己紹介
・講師二人によるガイダンスレクチャー
・ディスカッション:対象とする表現行為のイメージ


DAY2事前課題:
観察日誌のフォーマットを選んで、毎日記録してください。


◆DAY2:【オンライン】はじめての観察日誌(破)
・講師二人によるレクチャー:つたなさと微創造について1
・課題の発表&ディスカッション


DAY3事前課題:
自分の観察日誌フォーマットを更新してきてください。

・より自分に馴染むフォーマットになるよう、工夫を行ってください。
・テクネ編と生活編それぞれのまとめスライドを作ってきてください。


◆DAY3:【オンライン】観察日誌のみがき(離)
・講師二人によるレクチャー:つたなさと微創造について2
・課題の発表&ディスカッション

DAY4事前課題:
①さらにもう一回、観察日誌フォーマットを更新してきてください。

・他の参加者のフォーマットからの着想を取り込むもOKです。
・元のフォーマットに戻るのもアリです。

②4ヶ月分の観察日誌を物理的に鑑賞できるように、見せ方を考えてきてください。

◆DAY4:【ハイブリッド】四ヶ月分の観察日誌の振り返り(展)
・全員員の4ヶ月の観察日誌を大テーブルにショーケースし、みんなで総観する
・課題の最終発表とディスカッション
・全体講評と4ヶ月の振り返り

4. 講座日時・金額・受講形式

◆講座日時:
DAY1:2024年4月18日(木) 20:00-22:00
DAY2:2024年5月23日(木) 20:00-22:00
DAY3:2024年6月20日(木) 20:00-22:00
DAY4:2024年7月18日(木) 20:00-22:00
※全日程、両講師が登壇します。
※通常の講座と開始時間が異なります。ご注意ください。


◆金額:
22,000円(税込)/月
※総額:88,000円(税込)= 22,000円×4ヶ月

◆定員:
約30名
※定員になり次第終了とさせていただきます。

◆受講形式:
オンライン   
※DAY1/4はオンラインと東京会場より選択いただけます。

5. 講師プロフィール/講師より

■講師:ドミニク・チェンさん より■

微創造(microcreativity)は20年ほど自分のなかで発酵させてきたテーマですが、ようやく言語化できるくらい醸成されてきました。わたしたちは能動的に、主体的になにかをしなければいけないと思い込んでいる側面がありますが、実は何もしていない間も体の奥底で様々な意味が明滅し続けています。今回、渡邉康太郎さんの「つたなさをまなざす」というテーマとかけあわせて、参加者のみなさんと一緒に「ものづくり」観を更新する一歩を踏み始められればと、楽しみにしています。    

ドミニク・チェン
情報学研究者
1981年、東京生まれ。フランス国籍、日仏英のトリリンガル。博士(学際情報学)。NTT InterCommunication Center[ICC]研究員, 株式会社ディヴィデュアル共同創業者を経て、現在は早稲田大学文学学術院教授。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)Design/MediaArts専攻を卒業した後、NPOクリエイティブ・コモンズ・ジャパン(現・コモンスフィア)を仲間と立ち上げ、自由なインターネット文化の醸成に努めてきた。現在は人と微生物が会話できるぬか床発酵ロボット『NukabBot』(Ferment Media Research)を開発するほか、不特定多数の遺言の執筆プロセスを集めたインスタレーション『Last Words / TypeTrace』(dividual inc.)を制作し、国内外で展示を行いながら、テクノロジーと人間、そして自然存在の関係性を研究している。著書に『未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために』(新潮社)など、監訳書に『ウェルビーイングの設計論:人がよりよく生きるための情報技術』(BNN新社)など多数。
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Photo by Takaya Sakano

■講師:渡邉康太郎さん より■

わたしはデザイナーとして、一般的に言われることと逆のテーマを扱ってきたように思います。たとえば強さに対しての「弱さ」に着目したり、つくることに対して「つくらないこと」にこだわったり、など。今回はドミニク・チェンさんと一緒に「つたなさ」について考えていきます。表現に取り組む自分自身のつたなさに向き合うことは、しばしば痛みを伴います。でも今回、みなさんと一緒に、ちょっと俯瞰しながらそんな自分たちをおもしろがってみる場にしたい。ワークショップの仲間と一緒ならば、多分、なんとかなります。そして絶対、おもしろい場になります。

渡邉    康太郎(わたなべ    こうたろう)
Takram コンテクストデザイナー
使い手が作り手に、消費者が表現者に変化することを促す「コンテクストデザイン」を掲げ活動。組織のミッション・ビジョン・パーパス策定からアートプロジェクトまで幅広いプロジェクトを牽引。関心事は人文学とビジネス、デザインの接続。主な仕事にISSEY MIYAKE の花と手紙のギフト「FLORIOGRAPHY」、一冊だけの本屋「森岡書店」、北里研究所、日本経済新聞社やJ-WAVE のブランディングなど。同局のラジオ番組「TAKRAM RADIO」ナビゲーターも務める。著書『コンテクストデザイン』は青山ブックセンターにて総合売上1位を記録(2022年)。趣味は茶道、茶名は仙康宗達。大日本茶道学会正教授。Podcast「超相対性理論」パーソナリティ。国内外のデザイン賞の受賞多数。また独iF Design Award、日本空間デザイン賞などの審査員を歴任。慶應義塾大学SFC特別招聘教授。
書籍『コンテクストデザイン』
https://aoyamabc.jp/products/context-design
Takram_kotaro_watanabe_Color_1600px.png 2.71 MB


\ 申込期間:3/6~3/25 /



6. 参加者の声過去、渡邉康太郎さんのcampに参加した受講生の声

・全4回とは思えないぐらいに濃密で豊かな時間でした。康太郎さんのお話からも、受講者のみなさんの課題からも、自分で課題に取り組んだ時間からも、学びと気づきが本当に多かったです。ありがとうございました!

・講師の優しさと、研ぎ澄まされた感性を、身近に感じることのできる講座でした。こんな居心地の良い空間を作れる(しかもオンラインで)ことも学びでした。まだまだ私たちは楽しめる、と思いました。

・これまでの自分の学びにはなかったものをたくさん得られた「豊かな時間」でした。渡邉康太郎さんの考え方・話し方、知識、語彙、に毎回圧倒されながら、その言葉や感覚をできるだけ素直に受け取り楽しもうとしていました。実務的な学びとは違う、自分自身の思考と感情の往復を味わいながらの課題作成は毎回苦しみながらも楽しい時間でした。

・康太郎さんが丁寧に作ってくださった講義とパートと、みんなが楽しくフワフワできる対話パート。どちらも最高で、それを支える康太郎さんの場づくりに感動してました。

7. 確認事項

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\ 申込期間:3/6~3/25 /

 


■お申し込み方法と開講までの流れ

1. 開講のご案内
   
4月1日に開講までの流れをメールにてご案内いたします。
2. オンボーディングMTG(キックオフの会)
    4月8日(月)19:00 - 20:30

flier book laboへ新しくご登録いただいた方向けに、flier book laboの活用方法のご説明や、コミュニティメンバーとの交流をするオンボーディングMTG(キックオフの会)を行います。

3.講義日程・内容
DAY1:2024年4月18日(木) 20:00-22:00
DAY2:2024年5月23日(木) 20:00-22:00
DAY3:2024年6月20日(木) 20:00-22:00
DAY4:2024年7月18日(木) 20:00-22:00

■お申し込み期間■

2024年2月29日(木)〜2024年3月25日(月)

※labo会員限定特別申込期間:2月29日〜3月5日
※一般申込み:3月6日〜3月25日


■flier book campとは■

flier book campは、本の学びを深めるオンライン講座です。

【flier book campの特徴】
1. 本という体系立てられた知をベースにした学び
2. 講師自ら実践しているプロセスをフレームワークとして提供
3. 4ヶ月という短期期間で集中して学び取る
4. 少人数の仲間と火を囲んで語るような場

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■flier book campの講座MAP

ビジネスに役立つ実践講座から、答えがない議論を楽しむ講座まで。
みなさんの興味関心に合わせていろんなエリアを渡り歩いてみてください。
https://labo.flierinc.com/camp

●高める山
仕事を高めたい方向けのエリア

●育てる森
思考力を伸ばしたい方向けのエリア

●深める沼
知を深めたい方向けのエリア

●創発の焚き火←本講座はここ!
世界を広げたい方向けのエリア

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本講座に関するお問い合わせはこちら
booklabosupport@flierinc.com

よくあるご質問 はこちら
https://tayori.com/faq/f21f63e7c45de886eb4801b7e930d89b86ab4dcf/ 

▼1冊10分で読める本の要約サイト flier (フライヤー)
https://www.flierinc.com
▼オンライン読書コミュニティ flier book labo
https://labo.flierinc.com/about
▼本の学びを深める講座 flier book camp
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