フライヤーが主催するオンラインコミュニティflier book laboでは、さまざまな会員限定サービスを提供しています。その魅力をちょっとだけ体験していただける無料のランチタイムセッションが、2024年11月14日に開催されました。

ゲストスピーカーは、オンライン講座「flier book camp」で講師を務めてくださる浅田すぐるさんです。浅田すぐるさんが12月より担当する講座は、題して「「芸術・美学・感受性」の扉を拓く「紙1枚」読書 ーAI時代こそ「文化的生活」のすすめー 」。

今回のセッションでは、株式会社フライヤーで「flier book camp」企画運営を担当する久保彩のファシリテーションで、プログラムの内容を先取りしてご紹介いただきました!


【スピーカー】

「1枚」ワークス株式会社    代表取締役     浅田すぐる 氏
株式会社フライヤー 執行役員CCO    久保彩 氏

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読書を仕事や人生に活かすための「紙1枚」読書法

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久保彩氏(以下、久保):浅田さんの講座は今回で8回目ですが、浅田さんにとってはどんな場所になっていますでしょうか。

浅田すぐる氏(以下、浅田):講座での4ヶ月間を通して、読書に対する悩みを克服していく姿を見られるのが本当に嬉しいですね。受講いただいた皆さんからは「講座に参加していなかったら、この本は絶対に最後まで読めなかった、こんなに学びを得られなかった」という言葉をいただくことが多いです。やはり一人よりも皆で集まって読む・学ぶのがとても大事だと思っています。「紙1枚」読書法は練習すればどなたでもできるようにしてあるので、初めての方でも安心して参加いただけると嬉しいです。

久保:「紙1枚」読書法がどのようなものか、改めてお話いただいてもよろしいでしょうか。

浅田:「紙1枚」読書法は、読書を仕事や人生に活かすための技術だと提唱しています。読書で得た学びを紙1枚にまとめるからこそ、大事なことや今の自分に必要なことを考え抜けるし、覚えていられる。また、誰かにその本の良さをわかりやすく伝えることもできるようになります。

私は「働く=傍を楽にする」だと思っています。商売は誰かに商品やサービスを提供して初めて成り立つ、必ず自分以外の誰かを必要とする営みですよね。だからこそ周囲の人が楽になるように、役に立てるように動くのが働くことの本質だと思っています。
本で学んだことを自分一人で満足して終わりではなく、相手にわかりやすく伝えられたら、読書を通じてその人の役に立てますよね。まさに仕事に活かせる読書のやり方だと思いますし、人に伝える力は読書をする上で大事だと考えています。

芸術を楽しむための“適切な余裕”

久保:今回の講座のテーマを「芸術」にされた理由について教えていただけますでしょうか。

浅田:私が「紙1枚」仕事術や学習法・読書法を提唱し始めたのは、日本のビジネスパーソンの生産性や効率性をもっと上げたいと思ったことが理由です。生産性が上がったから残業せず定時で帰れるようになった。じゃあ夜から映画館やコンサートに行こう、というように健康的で文化的な生活をしてほしくて活動していました。
しかし、最近顕著に感じているのが、テレワークの導入などによって生まれた時間的余裕や余白に、また別の仕事を入れたり、今やっている仕事のクオリティを上げたり、結局仕事に充てている方がとても増えていると感じています。日本人はなぜそんなに仕事ばかりするんだろう?という問題意識があって、今回「芸術」をテーマにした講座を開催することにしました。

久保:なるほど。芸術を楽しむ余裕や余白の必要性といったところからなんですね。

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浅田:そうですね。余裕や余白について大事なキーワードを学べる『近代美学入門 』という本があるのですが、今回その本を「紙1枚」にまとめてみました。まず右上には本を読む時に立てる問いとして、本の帯にも書いてある「美しいとは?」を記載しています。左側にはこの問いの答えに関係がありそうな言葉を埋めています。その言葉たちを使いながら問いの答えを作っていくのですが、今回は「美とは、美的距離=適切な余裕がないと味わえないもの」というのを答えに書きました。「どういう意味?」という箇所にも書きましたが、美的距離とは現実に対する心理的な距離のことで、適切でないと美しさは味わえないんですね。例えば美術館で絵を見ている時に、「明日の役員報告どうしようかな」「来週のプレゼンの資料全然できていないんだよな」とか考えていると全然楽しめないじゃないですか。美術鑑賞をしている自分と仕事との心理的距離が近すぎるわけですよね。だから美術館に行く時は一旦仕事や日常のことは忘れなければいけないということが学べます。

久保:確かに私たちは日常で美しいものにたくさん触れているはずなのに、美的距離という余裕がないことで見落としているかもしれないですね。

浅田:余裕を持って定期的に芸術に触れる生活をしていると、機械のようにならなくて済むんですね。機械に近づいてもAIに勝てるわけがないので、私たちはもっと人間味を取り戻していかなければならないと感じています。ひたすら隙間時間に仕事を詰めて余裕をなくしている人がこれ以上増えていくのを見たくないので、今回の講座で少しでも一石を投じたいと思っています。

芸術に触れてこなかった人にこそ参加してほしい

久保:今回の講座のテーマ書籍についてご紹介いただけますでしょうか。

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浅田:DAY1はまず「紙1枚」読書法自体に慣れていただきたいのと、芸術や美学に対して高尚に感じている方のハードルを下げたいと思っています。テーマ書籍は先ほど紹介した『近代美学入門 』と『「カッコいい」とは何か 』です。DAY2は「観る芸術」ということで美術鑑賞ですね。テーマ書籍は『絵画を読む イコノロジー入門 』『観察力を磨く名画読解 』などです。DAY3は「聴く芸術」ということで音楽鑑賞。『悲しい曲の何が悲しいのか:音楽美学と心の哲学 』『音楽入門 』などですね。最後のDAY4は「触れる芸術」ということで演劇鑑賞です。お笑い芸人「ラーメンズ」のコントを『笑い 』という本を使って理解するのをやってみようと思っています。芸術に関する書籍は良い本がたくさんあって、正直絞りきれませんでした。実際に受講いただく皆さんの様子を見ながら、候補として挙げている中から決めていこうと思っています。

久保:皆さんそれぞれの本への解釈、取り上げる問いや答えが少しずつ違ってきそうですね。

浅田:そうですね。皆さんで集まって話すと必ず共通点が出てくるので、本にはこう書いてあるけど、今の時代に生きている私たちにとってはこれが大事なんだ、というように本に書いてある学びを超えていけるんですよね。それこそが生きた学びなので、今回の講座でたくさん持ち帰ってもらいたいです。

久保:ありがとうございます。最後に、受講を迷われている方に対して一言いただけますでしょうか。

浅田:今回の講座はすでに芸術に造詣のある方向けではありません。私自身もアーティストや芸術大学出身ではなく、いち素人として芸術に関する本をずっと読み続けたり、芸術に触れ続けたりしているだけです。自分には関係ない、今までの人生で芸術やアートに全く触れてこなかったという人ほど参加していただきたいです。一度扉を開けたら一生ものなので、芸術から遠ざかっていた人が扉を開ける機会になれば良いなと思っています。


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浅田すぐる(あさだ すぐる)
「1枚」ワークス株式会社    代表取締役

愛知県名古屋市出身。旭丘高校、立命館大学卒。在学時はカナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学留学。
トヨタ自動車(株)入社後、海外営業部門に従事。同社の「紙1枚」仕事術を修得・実践。米国勤務などを経験したのち、(株)グロービスへの転職を経て、2012年に独立。
現在は社会人教育のフィールドで、ビジネスパーソンの人材育成やキャリア開発を支援。講座・講演・研修等の累計受講者数は15,000名以上。著名企業での登壇実績多数。2017年には海外(中国・広州)登壇、2018年にはルーツであるトヨタとパナソニック合同の管理職研修への登壇も実現。
2015年からは、作家としてのキャリアもスタート。
月間ランク1位・年間4位・海外5カ国翻訳となったベストセラー『トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術』や『早く読めて、忘れない、思考力が深まる 「紙1枚! 」読書法』等、これまでに11冊を上梓。著者累計56万部超。
最新刊は2024年2月刊『ひと目でわかる! 見るだけ読書』(ダイヤモンド社)。
独立当初から配信しているメールマガジンは通算1,500号以上、読者数20,000人超。現在も継続配信中。


久保彩(くぼ あや)
株式会社フライヤー  執行役員CCO(Chief Customer Officer) 
カスタマーエンゲージメントDiv ゼネラルマネジャー

大学卒業後、大手メーカーにてシステム開発の企画・開発・PJマネジメントに携わる。その後、総合系コンサルティング・ファームで大手企業の新規事業/新規サービスの企画・立上・展開を担いながらMBAを取得。2020年よりフライヤーの新規事業担当 執行役員に就任。読書の新しい価値を追求するコミュニティflier book labo、本から深く学ぶflier book camp企画運営責任者。
2023年1月よりカスタマーサクセス責任者兼務。
2024年3月よりCCO就任。


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