フライヤーが主催するオンラインコミュニティflier book laboでは、さまざまな会員限定サービスを提供しています。その魅力をちょっとだけ体験していただける無料のランチタイムセッションが、2024年12月16日に開催されました。

ゲストスピーカーは、オンライン講座「flier book camp」で講師を務めてくださる熊平美香さんです。熊平美香さんが1月より担当する講座は、題して「相手が自ら気づき学ぶための「リフレクションを支援する技術」 」。

今回のセッションでは、株式会社フライヤーで「flier book camp」企画運営を担当する久保彩のファシリテーションで、プログラムの内容を先取りしてご紹介いただきました!


【スピーカー】

一般社団法人21世紀学び研究所代表理事/昭和女子大学キャリアカレッジ学院長     熊平美香 氏
株式会社フライヤー 執行役員CCO    久保彩 氏

▼セミナーでご紹介した実践講座の詳細・申込みはこちら(12/25〆切)


▼要点

・リフレクションは結果ではなく経験に焦点を当て、未来を切り開くためのポジティブで能動的なもの。
・他者のリフレクション支援の難点として、意見の背景を聞くのに慣れていないことが挙げられる。
・一人ひとり考え方が異なることを理解した上で、意見ではなく価値観レベルでの対話をすることが重要である。

反省ではなくリフレクションを

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久保彩氏(以下、久保):本日のセミナーのテーマは「リフレクション」ですが、日本語だと「内省」という意味で良いのでしょうか。

熊平美香氏(以下、熊平):内省という言葉では言い表しきれなくて、私たちは「未来を創造する力」と言っています。リフレクションを行うことで自分の考え方を変えることができて、その結果行動が変わり、未来が変わります。

久保:リフレクションは過去を振り返る行為というイメージがありますが、それによって未来が創られているということなんですね。改めて、リフレクションとは何かについてお話いただいても良いでしょうか。

熊平:リフレクションとは、自己を客観的かつ批判的に振り返る行為のことです。批判的といっても否定するわけではありません。これまで通りのものの見方ではなく、多面的・多角的に振り返るという意味です。内省だと物静かなイメージがありますが、私はリフレクションをとても躍動感のあるものとして捉えています。

また、反省ではなくリフレクションをしてほしいと強く思っています。反省の残念なところは二つあって、一つは上手くいっていることを振り返らないことです。上手くいかないことにしか目が向かないので、自己肯定感が下がりますよね。もう一つは、人間は反省している時に大した学びを得られていないんです。私たちは反省している時、「申し訳ない」「残念」「後悔している」など、とてもネガティブな気持ちになっています。ネガティブな感情は心理的安全性のない状態に自分を持っていくので、学びが低い状態になっているんです。

そもそも反省は結果に焦点を当てていますが、リフレクションは経験に価値を置くので、結果がどうであろうとも経験したら必ず賢くなっているという前提があります。やったからわかった、失敗から学べたという確信を持つことができるんです。

久保:リフレクションを通じて、結果が成功でも失敗でも、経験したことや一歩踏み出して行動したことに価値があると思えるんですね。

他者のリフレクション支援はなぜ難しいのか

久保:具体的にどうやってリフレクションを行うのか、お伺いしてもよろしいでしょうか。

熊平:まずは認知していることを自分で認知する「メタ認知」ですね。メタ認知を簡単にやってもらうために認知の4点セット(意見・経験・感情・価値観)をご紹介しています。自分の意見の背景には必ず経験や知っていることがあるし、その経験の記憶は感情と繋がっていて、感情を抜き取ってみると価値観が見えてくるんですね。意見の根底にある、自分が大切にしている価値観やものの見方を理解しようというのが認知の4点セットです。

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久保:今回の講座では「他者のリフレクション支援」がテーマになっていますが、どのような点に難しさがあるのでしょうか。

熊平:まず意見の背景を聞くことに私たちは慣れていません。察することが大事とされていますし、日常的な会話の中でも「なぜそう思うの?」とあまり聞かないですよね。私たちは意見の背景を聞かずに相手と同じことを考えていると思ってしまうのですが、リフレクションを行うと、実は考え方が違うことが明らかになってきます。

久保:会社での1on1などでお互いに認知の4点セットを理解しているととてもスムーズに進みそうですね。

熊平:そうですね。お互い意見が似ているように見えても違うことを理解したり、そもそも価値観が違うから意見も変わると気づけたりすると思います。例えば意見が食い違った時にも、「この人は何でこんなことを言っているんだろう」ではなく「この人は何を大事にしているんだろう」と疑問が変わります。皆さん自分が大事にしていることを守るために主張したり怒ったりするんですよね。何を大事にしているかがわかれば、相手が怒る理由を理解し、その状況を回避することもできると思います。

自分と周りが幸せになるためのリフレクション

久保:今回の講座の具体的なステップについてお伺いしてもよろしいでしょうか。

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熊平:まずDAY1では認知の4点セットを使う練習を行います。DAY2では相手の話を傾聴するのですが、相手のメンタルモデルや、考え方の背景にある大事にしていることを聞き取るのに意識を向けます。一方で、私たちは人の話を聴きながら自分の経験や価値観に当てはめて解釈したり評価したりしてしまう側面があります。それをしている自分に気付くことがまず第一歩なので、その練習をするのがDAY3ですね。
この講座の良いところは、参加した方の事例を皆さんで共有するので、人それぞれ考え方や価値観が違うことに改めて気づけると思います。

久保:他者のリフレクション支援ができるようになるとどんなことに繋がるのか、熊平さんはどのようにお考えでしょうか。

熊平:一つは自分のものの見方を変えること、アンラーンに繋がると思います。もう一つは今の多様性の時代にちゃんと話し合って合意形成をしていくには、価値観レベルでの対話をすることが非常に重要になってきていると思います。一人ひとり違うことが理解できると自分を客観視する力も上がりますし、今までとは違った見方や考え方で相手と向き合えると思います。

久保:ありがとうございます。最後に、受講を迷われている方に一言いただけますでしょうか。

熊平:リフレクションは人が幸せになるツールだと思っているので、自分が幸せになりたい方、そして周りの方を幸せにしたい方、ぜひご一緒できたら嬉しいです。


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熊平美香(くまひら みか)
一般社団法人21世紀学び研究所代表理事
昭和女子大学キャリアカレッジ学院長

ハーバード大学経営大学院でMBA取得後、金融機関金庫設備の熊平製作所・取締役経営企画室長などを務めた後、日本マクドナルド創業者に師事し、新規事業開発を行う。昭和女子大学キャリアカレッジでは、ダイバシティおよび働き方改革の推進、一般社団法人21世紀学び研究所ではリフレクションの普及、一般財団法人クマヒラセキュリティ財団ではシチズンシップ教育に取り組む。Learning For All等教育NPO活動にも参画。文部科学省中央教育審議会委員、経済産業省『未来の教室』とEdTech研究会委員などを務める。著書に 『リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『ダイアローグ価値を生み出す組織に変わる対話の技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。


久保彩(くぼ あや)
株式会社フライヤー  執行役員CCO(Chief Customer Officer) 
カスタマーエンゲージメントDiv ゼネラルマネジャー

大学卒業後、大手メーカーにてシステム開発の企画・開発・PJマネジメントに携わる。その後、総合系コンサルティング・ファームで大手企業の新規事業/新規サービスの企画・立上・展開を担いながらMBAを取得。2020年よりフライヤーの新規事業担当 執行役員に就任。読書の新しい価値を追求するコミュニティflier book labo、本から深く学ぶflier book camp企画運営責任者。
2023年1月よりカスタマーサクセス責任者兼務。
2024年3月よりCCO就任。


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