フライヤーが主宰するオンラインコミュニティflier book laboの活動を支えてくださっているのが、「パーソナリティ」と呼ばれる、さまざまな領域で活躍するゲストのみなさんです。

12月11日、そんなパーソナリティを囲むイベントの一つとして、flier book laboメンバーの企画・運営のもと、石角友愛さんのファンイベントが開催されました。

この記事では、ファンイベントの様子をダイジェストでお届けします。


AIのビジネスデザインに欠かせない4つの要素


小グループに分かれて「みなさんが考えるAI/DXとは何か?」をディスカッションしたあとは、石角さんより、AI/DXについてわかりやすく解説していただきました。

石角さんはパロアルトインサイトのCEOとして、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供されています。



まず石角さんがお話ししてくださったのは、「AIのビジネスデザイン(経営者や事業担当者とデータサイエンティストの間に立ち、AIビジネスを創造する仕事)」について。ポイントは、機械学習(AI技術)単体では、ビジネス課題は解決しないということです。

枝葉の話をする前に、「どうしてその課題を解決したいのか」「どうしてそのAI技術を導入する必要があるのか」を、WHY/WHAT/HOWを押さえながら整理しておかなければなりません。そしてAI戦略デザイン、AI技術デザイン、AIプロダクトデザイン、AI組織デザインの4つの要素がすべてそろってはじめて、AIビジネスデザインと呼ぶことができます。

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(パロアルトインサイト提供)

石角さんが経営するパロアルトインサイトでは、クライアント企業の課題抽出からはじまり、提案、開発、導入、定着までを一貫して支援しています。

AIを使ったビジネスにおいては、「導入の壁」と「定着の壁」という2つの壁が存在しているそう。AIを導入するだけでも大変ですが、導入して終わりではなく、いかに現場の業務フローに定着させていくかを考えていかなければなりません。パロアルトインサイトでは、定着支援フレームワークを使い、セッションを重ねながら定着の壁を乗り越える支援をします。





DXの第一歩は「自社のコアは何なのか?」を考えること

パロアルトインサイトでは、企業から「どこからDXを始めていいのかわからない」という相談を受けることが多くあるそう。

ここで、まずやるべきこととして紹介してくださったのが、「会社のコアをデジタル化すること」。「コア」については、会社をマイケル・ジョーダンにたとえると簡単に理解できます。

会社をマイケル・ジョーダンとすると、ジョーダンにとってのコアは「バスケットボール」。バスケットボールというコアがあるからこそ、マーケティングやプロモーション、ジョーダンにまつわるグッズの商品化といったビジネスができるのです。

このように、コアがあるからこそビジネスが生まれます。だからまずは「自社のコアは何なのか」を考えることから始めましょう。そして自社にとってのコアを再定義し、そのコア部分にデジタライゼーション(デジタル化されたデータを使用した、作業の進め方やビジネスモデルの変革)を起こすことで、DXが進められます。

たとえば自動車会社の場合、現在のコアは「自動車を製造すること」。ただしモビリティ革命が起こったら、「モノや人を移動させること」がコアになる可能性もあります。これがコアの再定義です。





グループワーク「AI/DXを使って喫茶店の売上アップを実現せよ」

石角さんのご説明によってAI/DXの本質を理解したあとは、グループに分かれて次の課題についてディスカッションしました。

あなたは小さな町の個人経営の喫茶店オーナー。コロナの自粛の影響もあり、売上がなかなか立たず厳しい状況です。こうした問題をAI/DXを使って解決するならば、どういう方法があるでしょうか?

あるグループから出たのは「お客さんの感じる『居心地のよさ』をAIによって分析し、オーダーメイドの接客を提供しては?」という意見。喫茶店の「コア」を「居心地のいい、憩いの場であること」と定めるアイデアです。

このアイデアに対する石角さんのアドバイスは、「課題を因数分解しましょう」というもの。逆算的に「どういうデータがあれば、お客さんが『心地いい』と感じているとわかるのか」を考えていきます。

たとえばリピート率。何度もリピートするのは、居心地がいいと感じているからこそでしょう。滞在時間も指標のひとつになるかもしれません。

石角さんは、ある飲食店のオーナーから「飲食店側はお客さんのことがまったくわからないんです」と言われたことがあるそう。誰と一緒に来店してくれているのか、初来店なのかリピートなのかもわからない。データが取れないと、改善のしようがありません。

そこでそのオーナーのお店では、支払い手段をモバイルアプリに限定しました。すると、アプリに「誰が」「何を」「何回」購入してくれたか、というデータが蓄積されます。こうして集めたデータは、お客さんのニーズを満たすお店作りに大いに役立つでしょう。

データは接客にも生かされます。アプリを見てお客さんがリピート客だとわかれば、昨日入社したばかりのアルバイトスタッフでも「いつもありがとうございます!」と一言付け加えることができるのです。

ポイントは、発想の枠を広げること。手持ちのデータに縛られてしまうと、適切な答えにたどりつけないかもしれません。いまあるデータの活用を考えるだけではなく、思いきって「こういうデータがあればいいな」というものも挙げてみましょう。





今回もlaboらしさ満点のイベントでした!





石角さんのフィードバックをもって、ファンイベントはお開きとなりました。

石角さん、そして企画・運営を担当したまがみんさん、かみぃさん、たちかわさん、ありがとうございました。今回も、誰もが好奇心とリスペクトを持って相手の話に耳を傾け、議論できる場、そして、パーソナリティの思考を深く理解して追体験する場としての「labo」らしさ満点のイベントでした!




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プロフィール
石角友愛(いしずみ    ともえ)
パロアルトインサイトCEO/AIビジネスデザイナー
 
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテックや流通AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手がけ、順天堂大学大学院医学研究科客員教授(AI企業戦略)、及び、東京大学工学部アドバイザリー・ボードを務める。 
著書に『いまこそ知りたいDX戦略』、『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
 
パロアルトインサイトHP: http://www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com


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