フライヤーが主催するオンラインコミュニティflier book laboでは、さまざまな会員限定サービスを提供しています。その魅力をちょっとだけ体験していただける無料のランチタイムセッションが、2024年8月9日に開催されました。

ゲストスピーカーは、オンライン講座「flier book camp」で講師を務めてくださる野上英文さんです。野上英文さんが9月より担当する講座は、題して「自分史上最高の文章力を手に入れる 「戦略的ライティング講座」 」。

今回のセッションでは、株式会社フライヤーで「flier book camp」企画運営を担当する久保彩のファシリテーションで、プログラムの内容を先取りしてご紹介いただきました!


【スピーカー】

ジャーナリスト/NewsPicks Senior Editor     野上英文氏
株式会社フライヤー 執行役員CCO    久保彩 氏

▼野上さんと受講生の仲間たちと一緒に学ぶ、実践講座の詳細はこちらから


文章のプロが考える、書くことの魅力と押さえるポイント

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久保彩氏(以下、久保)本日のテーマは「書くチカラ」ですが、野上さん自身、書くということにずっと向き合っていらっしゃいますよね。書くことの魅力や意義についてどのようにお考えでしょうか?

野上英文氏(以下、野上):私は普段ラジオパーソナリティの仕事もしているのですが、それも基本的には言語化能力がベースになっています。他にも日々の仕事や生活をする上でのコミュニケーションの基礎になるのが文章力だと思っているので、文章を学んだりアウトプットしたりする機会が多いのは、社会人として非常に恵まれているなと感じます。

久保:文章の書き方として、広く多くの人に読んでもらう文章と、より自分を深く知ってもらう文章があると思うのですが、野上さんが考えている文章術はどんな領域にフォーカスしたものなのでしょうか?

野上:このランチタイムセッションで今、皆さんがどれくらい真剣に私の言葉を聞いてくれているか、というのにも繋がります。やっぱり相手の関心のあることを伝えないと誰も読んだり聞いたりしてくれないんですよね。

私が今までやってきたのは、ニュースのようなフロー型の流れ行く情報、とれたてのものをいかに調理して出すかという仕事なんですが、仮に自分の話を伝えたいという時であっても、何かWhat’s newの要素を入れたり、相手の関心に合わせつつ時流に乗せて伝えたり、といったことが必要だと思います。

久保:なるほど。今のお話にもありましたが、以前野上さんからアウトプットの形式について「ストック型」と「フロー型」という構図でお話いただいたのがとても印象的でした。この点についてもお伺いしてよろしいでしょうか。

野上:ニュースのような流れゆく情報をアウトプットするフロー型と、自分の中で蓄積されている情報をアウトプットするというストック型、分けるとしたら2つのパターンがあると思います。例えば10年くらいお仕事されていたら、1冊は本が書けると言われています。今回の講座ではそういうストック型とは別に、日々世の中や職場、交友関係などで起きている問題をどうやって自分に引き寄せて、世の中の時流に流し返すのか、どう文章を作って他の人に読んでもらうのか、という私が1番得意としているところをやっていきたいなと思っています。

なぜ今、文章力が必要なのか?

久保:今回参加いただいている方の声を拝見すると、皆さん色々な書く目的や文章に対する課題があるようですが、野上さんの考える「今、文章力を鍛えるべき理由」についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

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野上:今回、「なぜ今文章力なのか」というのを「PEN」(P=「Prompt」、E=「Express」、N=「Nourish」)というフレームワークで考えてみました。

まず「Prompt」というAIに適切な指示をする力です。プロンプトを用意すると、生成AIは驚くほど的確な文章を書いてくれます。私も仕事が相当、楽になっているんですが、一方でAIに指示をしすぎて、最後のアウトプットをどう使ったらいいのか、次に何を指示したらいいのかわからなくなることってあると思うんです。やっぱりAIに指示を行う際も自分の考えをちゃんと言語化してアウトプットするという力が必要なので、AI時代にも文章力は必要だと思っています。

久保:なるほど。AIが作ってくれた文章を添削する際も文章力が必要ですもんね。そして2つ目は「Express」ですね。

野上:今、全く台本なく話していますが、これは即時の文章力というか、文章を書き出しているんです。例えば会議やプレゼンテーションの場で質問が返ってきた時に、いちいちAIに聞いていられないですよね。AIに頼れば頼るほど、プレゼン資料は良いのに、いざ本番になると全く話せない、というようにリアルとの差が広がっていく恐れもあります。これは信用にも関わってきます。だからやっぱり自分の中で即時に文章を作り出す能力、言語化能力が必要になってくるかなと思います。

久保:確かにそうですね。そして最後は「養う」という意味の「Nourish」ですね。

野上:今はアウトプットやブレストをAIが相当助けてくれるようになったので、そこにどんな情報を入れるのかといった、インプットの質の高さや効率の良さが、アウトプットの質に直結すると思っています。

質の高い情報を取ってくるには、こんなアウトプットをしたいからこういう情報がいる、というのを明確にすることが必要なんですね。先ほどもお話した言語化能力や即時の文章力、アウトプットを構造的に捉える力がないと、インプットの質や効率がいつまで経っても向上しないんです。

久保:確かに今はあまりにも情報がたくさんあるので、本当に必要なものを見極めて、質の高いインプットに触れるというのはとても差が出そうですね。文章力のトレーニングは、情報の目利き力や構造を理解する力にも繋がるんですね。

他者と一緒に理論と実践を繰り返し、
自分史上最高の文章力を手に入れよう

久保:野上さんのお話を伺って、文章力に向き合うことが大切だと改めて思ったんですが、意外と文章って教わったことがないですよね。でも一方で、何を書いたらいいかわからない、始めたけど続けられない、読まれてないかもしれないなど、悩みはいっぱいありますよね。

野上:アウトプットした先にどうなるか、という悩みはもちろんあると思うのですが、まずは「伝わるか」というベースの文章力が大事だと思っています。良い文章というのはそれぞれ好みや評価がありますが、読みやすさやわかりやすさ、正確さというところはどんな文章を書くにしても基礎として必要だと思います。

久保:なるほど。今回の講座でもお話いただくと思うのですが、伝わる文章を書く際にポイントとして抑えるべきところを教えていただけますでしょうか。

野上:例えばすぐにできることですと、まずは「一文一文を短くする」ことですね。一体何を言っているのかというのを論旨明快にして、次の文に繋いでいくことが大事だと思います。でもこれって意外と難しくて、第三者的な人に思いきり削ってもらう、指摘をしてもらうということが必要だと思います。

久保:今回の講座ではその経験もできるということですね。実際に講座でやっていただくステップについてお伝えいただいてもよろしいでしょうか。

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野上:今回はDAY1からDAY4まで「理論と実践」という形でやって行くのですが、毎回皆さんに課題をお願いしようと思っています。課題は全員同じテーマで書いていただくというのがポイントです。

私は皆さんにとって有益なものをピックアップして、講座内で添削していきます。仮に自分のものが取り上げられなかった時でも、「こんな切り口があったのか」「なんで私は同じテーマで1カ月考えたのにこんなことしか書けなかったんだろう」とかショックを受けると思うのですが、そういう経験がとても大事です。

皆さん出発点がそれぞれ違うので、4カ月で全員が同じレベルになるというのは難しいです。ただ、一人ひとりが自分史上最高の文章力を手に入れることは保証できますし、そこに向けて一緒に伴走します。今回の講座のタイトルにも「一生ものの文章力を身につけよう」と入れているのですが、文章力って伸びる一方で衰えることがないんですよ。

久保:今まで全く意識できていなかった方はもちろん、元々ある程度意識してやっていた方でもさらに引き上げることができるというのが今回の講座なんですね。

野上:そうですね。今回お伝えするフレームワークは、私が記者・編集者として20年以上培ってきた文章術を体系化しただけではなく、アメリカ留学中に欧米の文章術に関する本を20冊以上読んで、そこから大事な要素もピックアップして作っています。だから今の生成AIの時代でも、10〜20年後でも活かせるかなと。皆さんに一気に教えると訳がわからなくなると思うので、毎回、食べ切れる量でお出しします。それを試食していただきながら、実際に自分でもやってみる、というのを4回繰り返すイメージですね。

久保:食べ切れる量って大事ですね。例えばDAY1で仮見出しについてしっかり学んだら、実際に課題をやる時は仮見出しをすごく意識して取り組むということですね。

野上:一つひとつ積み重ねなので、DAY1でやったことはDAY2にも使う、DAY2でやったことはDAY3に使う、というようにどんどん階段を上がっていくようなイメージですね。

久保:ありがとうございます。本日野上さんにお話を伺って、文章には明確にコツがあると感じました。私たちはそれをしっかり学んでいないなと思いますし、身につけることで自分が書いたものを人前に出す自信もついてくると思います。少しでも気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひこの機会にご参加いただければと思います。最後に野上さんからも、受講を迷われている方に対して一言いただけますでしょうか。

野上:ありがとうございます。私自身が文章と向き合って、文章力を伸ばそうというきっかけを掴んだのは、20歳くらいの時に今回のような講座で元記者の方から指導いただいたことだったんですね。その方への恩返しという意味も込めて、自分なりにやりたいなと思っています。そして自分自身の文章力も完成したとは全く思っていません。今回講師の機会をいただいたので、もう一度自分の文章力を見つめ直して、皆さんと一緒に学びながらやりたいなと思っています。自分は出し惜しみをしない性格なので思いっきりやります。少しでも関心をお持ちの方は、この機会にぜひ一緒に学びましょう!


▼セミナー全編はこちらから💁
https://youtu.be/hz6mZAGLW_E

▼野上さんと受講生の仲間たちと一緒に学ぶ、実践講座の詳細はこちらから💁‍♂️



野上英文(のがみ ひでふみ)
ジャーナリスト/NewsPicks Senior Editor

朝日新聞社でジャカルタ支局長など20年近く記者を勤め、2023年からUZABASEに参画。NewsPicks+dとJobPicksで編集長を歴任した。NewsPicksトピックスで連載コラムを持つほか、TBSラジオやポッドキャスト番組「News Connect」「定時までに帰れるラジオ」などにレギュラー出演。編集者として年間約1500本のコンテンツを編集・監修し、デジタル発信・文章術やキャリア育成をテーマに登壇・メディア掲載多数。ハーバード大元客員研究員、マサチューセッツ工科大(MIT)経営大学院MBA。著書に『朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた 戦略的ビジネス文章術』(BOW BOOKS)ほか。


久保彩(くぼ あや)
株式会社フライヤー  執行役員CCO(Chief Customer Officer) 
カスタマーエンゲージメントDiv ゼネラルマネジャー

大学卒業後、大手メーカーにてシステム開発の企画・開発・PJマネジメントに携わる。その後、総合系コンサルティング・ファームで大手企業の新規事業/新規サービスの企画・立上・展開を担いながらMBAを取得。2020年よりフライヤーの新規事業担当 執行役員に就任。読書の新しい価値を追求するコミュニティflier book labo、本から深く学ぶflier book camp企画運営責任者。
2023年1月よりカスタマーサクセス責任者兼務。
2024年3月よりCCO就任。


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