目次

1. 【イメージ】いくつかの「関心本棚」を1つのファイルで管理するには?
2. 【実践】いくつかの「関心本棚」を1つのファイルで管理するには?
3. 【補足】 関心本棚を作るプロセス
4. 【余談】AIらしい仕事と人らしい仕事の違いは?

1.  【イメージ】いくつかの「関心本棚」を1つのファイルで管理するには?

FELLOWを継続すると、例えば、「関心本棚を第5期と第6期で分けたい」と思うことがあります。さらには、「関心本棚鑑賞会やFELLOW懇親会などのイベントのために専用の関心本棚を作りたい」と思うこともあります。

そのようなとき、どうされますか?

例えば、FELLOW第5期、FELLOW第6期、関心本棚鑑賞会、FELLOW懇親会、・・・のように関心本棚のファイルをそれぞれ作る方法があります。ただ、ファイルが分散すると、管理が大変になるというデメリットがあります。

そこで、本記事では、1つのファイルで複数の関心本棚を管理する方法(一元管理)を記載します。

ポイントは、Googleスライドは、『1ファイル=1つのシート』ではなく、『1ファイル=複数のシートの集まり』を理解することです。

実は、知らないうちに、1つのファイルには、過去のたくさんの関心本棚が勝手に保存されています。私たちがいつも見ているのは、たくさんのシート(関心本棚)のうち、最新のシート(関心本棚)なのです!

1.1. 1つのファイルに、過去の多数の関心本棚が勝手に保存されている!

Googleスプレッドシートは、見たところ1枚のように見えますが、過去のシートの集まりです。ただ、過去のシートがすべて見えたら人が理解できない(邪魔な)ので、見えないようにしているだけです。

スクリーンショット 2024-04-29 7.47.26.png 246.28 KB※実際は、過去の全ての関心本棚が保存されていないはずです。最新の関心本棚は全部保存しますが、その他の関心本棚は前と違いだけが保存されていると思います。
以下のようなイメージです。
「最新の関心本棚」+「最新の関心本棚とその前の関心本棚の違い(差分)」+「その前の関心本棚とその前の前の関心本棚の違い(差分)」+・・・

※「FELLOW第5期」「FELLOW第6期」「鑑賞会」・・・のようにファイルをそれぞれに作ると、たくさんの資源を使ってしまうことがわかります。1つのファイルで管理する場合は、最新版と差分だけを保存するので、資源は最小限となります。

1.2. 【課題】自動的に保存されるのは、いいことばかりではない!

過去の関心本棚が自動的に保存されていたら、過去にさかのぼれるのでとても嬉しいはずです。ただ、少し困ったことがあります。何が困るでしょうか?

課題は、自分がみたい関心本棚に、なかなかたどり着けないことです。

例えば、過去に、内容は変わらないのに、「関心本棚」を「関心本多な」と書いてしまって、修正したとします。このような、「文字の修正しただけの関心本棚」も勝手に(しかも大量に)保存されています。
つまり、私たちにとって意味のない関心本棚がたくさん存在している状態です。

なので、勝手に保存してくれるのは嬉しいですが、一方で、「たくさんの意味のない関心本棚から、意味のある関心本棚を探すのが大変」という課題があります。

1.3. 【対策】関心本棚に名前を付ける

解決策は、たくさんの意味のない関心本棚たちの中から、自分にとって意味のある関心本棚に「名前を付ける」ことです。

自動保存されたたくさんの関心本棚の中から、後で見たかったり別ファイルとして保存したい「意味のある」関心本棚に、人間が理解できるように、名前を付けます。

例えば、FELLOW第5期で発表したい関心本棚には「FELLOW第5期」と名付けます。また、4/26の鑑賞会で発表したい関心本棚には「鑑賞会(2024/4/26)」と名付けます。
スクリーンショット 2024-04-29 7.40.43.png 617.98 KB

2. 【実践】いくつかの「関心本棚」を1つのファイルで管理するには?

ここでは、実際に、複数の関心本棚を1つのファイルで管理する方法を記載します。

中身は、自動保存されたたくさんの関心本棚の中から、自分にとって意味のある関心本棚に意味を与える方法です。

Googleスライドには、変更履歴を管理する機能があります。この変更履歴機能を利用すれば、複数の関心本棚を1つのファイルで管理できます。つまり、ファイルを「FELLOW第5期関心本棚」や「FELLOW第6期関心本棚」や「関心本棚鑑賞会(2024年4月26日)」のように分けたい場合、1つのファイルの変更履歴機能で分類することができます。
つまり、手動で、複数のファイルを作成する必要はありません。

ここでは、Googleスライドの変更履歴機能を利用して、1つのファイルで、複数の関心本棚を管理する方法を説明します。

2.1. 事前準備(自分専用のスライドを用意する)

FELLOWでみんなで共有して使用している「関心本棚」とは別に、自分専用の「関心本棚」を自分のGoogleアカウント上に作成します。
普段利用しているGoogleアカウントのGoogleワークスペース上に、「関心本棚」のGoogleスライドを作成します。

FELLOWでは、自分専用の「関心本棚」のスライドを、FELLOWでみんなで使う「関心本棚」に貼り付け(コピー&ペースト)します。

2.2. 過去の「関心本棚」を参照・復元・出力する手順

[手順1]①「ファイル」メニューから、②「変更履歴」、③「最新の版に名前を付ける」をタップします。
slide_version_management1.png 3.49 MB

[手順2]「最新の版に名前を付ける」画面が表示されるので、版の名前を入力します。下図では、FELLOW第5期のDAY5(2024年4月28日)に発表した関心本棚なので、今回は、「v1.1_FELLOW5_DAY5_20240428」と名付けました。 v1.1.としたのは、4月26日の関心本棚鑑賞会のv1.0の次バージョンだからです。
slide_version_management2.png 2.94 MB
[手順3]これまで編集した履歴が「変更履歴」として表示されます。しかし、すべての版が表示されると、いつどこでアップデートしたか分かりづらいです。そこで「名前付きの版」をタップして、バージョンを付与した版だけを表示します。
slide_version_management3.png 3.02 MB

[手順4]これまでのバージョンを簡単に参照することができます。また、そのバージョンに復元することもできます。
slide_version_management4.png 2.97 MB
[補足]別ファイルとして利用したいバージョンがある場合、変更履歴から、そのバージョンの「3点リーダー」の「コピーを作成」をタップすれば、自動的に該当バージョンのファイルが作成されます。
slide_version_management5.png 2.97 MB

3. 【補足】関心本棚を作るプロセス

スクリーンショット 2024-04-28 12.08.17.png 466.38 KB

Googleスライドの関心本棚は、自分の関心の流れのうちの一枚の写真(スナップショット)です。
自分の関心の流れを積み重ねたリスト(好きな本リスト)を別に用意しておくと、関心本棚が作りやすいです。

そこで、関心本棚を作るプロセスを別で記事にしました。



4. 【余談】AIらしい仕事と人らしい仕事の違いは?

生成AIが身近になって、今後、AIは、たくさんの人の仕事をサポートします。そんな時、何をAIにサポートしてもらうか、何を自分でやるか、を普段から考えておくとよいと思います。
というのは、AIが数分(数秒!?)でサポートできる仕事を、わざわざ人が何時間・何日・何ヶ月もかけてする必要はないからです。人は、人らしい仕事をした方がよさそうです。

では、人らしい仕事とは何でしょうか?

私にはわかりません。
例えば、少し前は、自動翻訳はほぼ不可能で人がする翻訳のレベルにはたどり着けないと思われた時代がありました。その時代は、翻訳は「人らしい仕事」だったと思います。でも、LLM(大規模言語モデル)の成長で、もしかしたら、翻訳は「AIらしい仕事」なのかもしれません。

ただ、AIらしい仕事と人らしい仕事を分ける上で、今回の記事がヒントになると思います。

コンピュータ(AI)・・・関心本棚を(何も考えずにとにかく勝手に)大量に保存する
人・・・大量の関心本棚の中から、自分にとって大切な関心本棚に意味を与える

※もちろん、AIが、その人にとって大切な本棚をレコメンド(推薦)することは可能です。しかし、人がAIのレコメンドばかりに頼ると、自分で本当に何を大切だと感じているのかわからなくなるかもしれません・・・


今回のように、面倒なことを楽に(例えば、自動化)しようと考えると、AIらしい仕事と人らしい仕事をどう分けるかを考えるきっかけとなりそうです。