先日、ある民放TV番組の中で取り上げられた
ロイヤルホストの「パンケーキ」が、同業者で
あるシェフの7人中、6人から失格の烙印を
押され、ロイホファンを中心に、そのシェフ
の一人がオーナーをしているお店が叩かれて、
嫌がらせを受けるとかグルメサイトで辛辣な
評価(レーティング)をされている、という
ネット記事が出ています。

しかしそのシェフの言い分を聞いていると、
収録で発言した内容で放送されていない部分も
あり、それは該当のパンケーキの評価できる点
についてのコメントだったとのこと。

それからFBでも謝罪をなされたようですが、
使われているであろう香料が、そのシェフが
料理において用いる材料・レシピとは違って
おり、パンケーキの醸し出す香りが人工的な
もので彼とは相入れない、ということでした
(しかし彼自身、ロイホのようにチェーン展開
していないのに軽はずみな発言をしたと反省
されています。ロイホは企業として、決まった
メニュー価格で、目標の売り上げを達成しない
といけませんから、オーナーの匙加減で価格を
変えるというような対応は難しいでしょう)

つまり、発言する側に100%悪意はなかった
はずが、試食した時の表情やコメントが、その
シェフのバックグラウンドや価値観は抜きで、
SNSやネット空間で拡散して飛び火がついた
とも言えます。

これが、表題に掲げた「他人はあなたの話の
70%しか理解していない」という意味です。

これはあなたの思いを「言語化」する段階で、
すでに30%のロスが生じているということ。
(冒頭のエピソードのように、言語化しても
それが編集される場合、さらにロスはup)

さらにこの伝達ロスのせいで、相手が受信する
のは50%。さらにその相手が解釈するところ
まで行くと、結果、最初の30%しか、伝わら
ない。 

それを、自分の言語化が拙い、ということに
関してはボキャブラリの問題ですがこの、
相手の受信→解釈までのロスを何とか解消して
いかないはいけません。

つまり、コミュニケーションの現場では「相手
の価値観を知る」ということが、相手が発した
言葉や語彙以前に大事なんです。ネットやTV
が編集、一部を切り取った状態ではその発言者
の価値観まで知ることは困難でしょう。しかし
ながらこのことは、ほぼ間違いなく、その人の
言動にも影響を及ぼしています。それから、
先天的な部分と、後天的…家庭などの環境から
影響を受ける部分もまたあるのです。

これを職場のコミュニケーション、年代別や、
ジェネレーション別に考えてみても分かり
やすいと思います。

例えば60代・ポスト団塊の世代は企業戦士、
その下、40〜50代・団塊ジュニアの世代は、
根回しや赤提灯コミュニケーション重視派。
対して30代はゆとり世代、ワーク・ライフ
バランスを考え、競争意識が低い。
さらに20代、Z世代は、効率重視、結果を
早く知りたがる、お金よりやりがいや貢献で
仕事を選ぶ傾向が強い。ですから、若手に
「なんで君は、期日までに資料を準備して
こないんだ!」と怒っても逆効果。
怒られて、でもその後、飲み屋で慰められて
来た40代オーバー世代とは違います。

怒っちゃダメよ、という育てられ方をして
来たのですから(彼らにとって、理不尽な
怒られ方をされる経験が圧倒的に少ない)。

他に以下の価値観、どちらを重視します?    
「建前も必要」か「本音だけ」か。
「結果がすべて」か「プロセスが重要」か。
「挑戦することが大事」か「貢献することが
大事」か。
「論理が大事」か「感情が大事」か。 

また、顔の表情や目線の動き等、非言語情報も
貴重なその人を理解する上での材料でしょう。

上司や同僚の発言、メール、LINE、チャット、
その人がどのような価値観を持ち、どのような
考えをもってしてなされたのかが、在宅勤務や
マスク生活で非常に見えにくくなっているのが
このニューノーマル社会ではないでしょうか。