『読書と私とflier book labo』vol.3 ~ 中山 英樹さん編 ~



 

 フライヤーが主催するオンラインコミュニティ、flier book labo。「自分の可能性を広げる読書コミュニティ」をコンセプトに掲げ、さまざまな業種、性別、年代の仲間たちがオンライン上で集い、書籍の要約から得た気づきや学びを語り合っています。

 

 この記事では、flier book labo会員の方に「あなたにとってのlaboとは?」をインタビュー。flier book laboの楽しみ方は、人によって千差万別。みなさんそれぞれのイメージに近い楽しみ方がここから見つかれば幸いです。

 

 vol.3は、メーカーで研究職に従事する中山 英樹さんにお話を伺いました。

 


イノベーションの種を求めてbook laboに参加

 

本とより多くの接点を持つために

ーーまずは中山さんご自身についてと、laboに入ったきっかけを教えていただけますか。

 メーカーで研究職に就いております。本が好きで、ジャンルを問わず読書を趣味にしているのですが、より本との接点を広めたいと思い、2020年10月頃からlaboに参加しています。

 読書をもっと楽しみたいという思いでbook laboに入りましたが、仕事にも活かせられればという目論見もありました。というのも現在、研究所の組織課題解決を担当する部署に所属しており、特に「イノベーション創出のための組織改革」に携わっています。その一環として、社内の図書スペースの開設を任されたんです。flierはビジネス書籍が充実しているので、book laboで情報交換を行えばより本について多くの情報を得られるのではと考えた次第です。

 

イノベーションを起こすために必要な「人との交わり」を求めて

ーー研究所内に、イチから図書スペースを作られたんですか? 

 もともと仕事に必要な技術書は多数置いてあったのですが、もっと幅広い図書を置いて知見を広げようということで、図書スペースを作りました。今では2,000-3,000冊ほどの蔵書があり、最新の書籍や話題の書籍を集めたコーナーなども設置した、書店のようなスペースとなっています。

ーーなぜ「イノベーションを起こすために読書」なのでしょうか。

 イノベーション=新結合なので、既存の考え方に囚われない発想のためには、これまでの枠を超えた交わりや気付きが必要です。ですが自分の専門分野のことばかり考えていては、広い視野で物事を捉えることが難しくなります。なので、もっと世の中のあらゆる事柄に目を向けるために、いろいろなジャンルの書籍を読んで知見を広げようという提案です。

 本来イノベーションには他者との交わりが非常に重要なのですが、今はコロナ禍で直接人と接する機会が減りました。その機会減少を補うためにも、直接的ではないにしても他者との交わりとしての書籍の必要性は増していると感じます。

「知識を得て思考する」のは人間の本能的欲求

 

予定調和に終わらない対話

ーー実際にlaboに参加してみていかがですか? 

 これまで「ひとつのテーマについて語り合う」というのを経験したことがなかったので、とても新鮮です。当初は仕事にも活かせられればというつもりで参加しましたが、今のところは純粋にただただ楽しませていいただいています。

ーーlaboのどういうところが楽しいと感じますか? 

 月並みではありますが、普段は交流の機会が少ない、色々なバックボーンや業界・考え方の方々からお話が聞けるのがすごく新鮮です。

 人間は「考える」という機能がある動物なので、本来、吸収した知識をもとに思考するという行為が好きなはずです。けれど大人になればなるほど「考えること」が面倒になる人もいるので、語り合える人が限られてきます。限られた特定の人とだけ話していると、お互いに好みや思考がわかってくるので「この話にはこういう反応を返すんだろうな」とある程度先読みできてしまい、予定調和に陥りがちだと思います。

 そこがlaboだと、知識欲があって考えることが好きな人たちの集まりなので、気兼ねなく色んなことを語り合えますし、多種多様な人たちと交流できます。様々な見方や考え方をインプット・アウトプットするには、book laboという場はちょうど良いですね。


laboは緊張感と心理的安全性が両立する場所

ーー初対面の方と話すのは、最初の頃はやはり緊張されましたか? 

 緊張は今も、いい意味でします。友達同士の会話なら内容が多少散らかっていても通じるので、整理せずそのまま喋るじゃないですか。でもlaboでは全然知らない人に対して話すので、意図が伝わるように整理して喋らないと…という緊張感はあります。むしろその緊張感が、頭をピリッと刺激してくれるんです。laboは緊張感はありながらも心理的安全性が保たれているので、知らない人が相手でも自分の考えを臆せず開示できるのがありがたいです。

 緊張感と心理的安全性が両立される場というのは、日常にはなかなかないので、自分の中で話を整理することでアウトプットを鍛えると同時に、その過程で自分の考えを改めて発見する瞬間を楽しんでいます。

 

他人の目を借りて新たに「出会い直す」ことができる喜び 

 

昔好きだったものを、当時と違う観点で見つめ直す

ーーlaboでは主にどういった活動をされていますか?

 定番のLIVEにはほぼ毎回参加していますが、一番のお気に入りは色々なテーマで設定されたCLUBで、よく参加しています。最近は『LIFE is ART』という新しくできたCLUBで、美術に詳しい方のレクチャーを受けながらの会話を楽しんでいます。

 私自身、もともと美術が好きで、学生時代には美術書をたくさん読んでいたのですが、誰かと語る機会はこれまでほとんどなかったんです。laboで美術を語り合えたことで「美術って面白いな」と再度実感できました。

 他の方の意見を聞くことで当時と違う発見があったり、そこから得られる感覚も違ったりするのも面白いです。他人の目を使って新たに出会い直すと言いますか。今まで知らなかった絵画の見方や他の方の観点を知ることで「あの頃には気づかなかった面白さに、新鮮な気持ちでもう一度出会える」という感覚です。一人で絵画を見たり、美術書を読んでいるだけでは絶対に得られないもので、まさしくlaboならではの収穫です。

「体験」を経て「考える」ことで気づきの示唆を得る

ーー美術に興味がある人のコミュニティで「絵を描く」のではなく「絵について語る」のもlaboならではですよね。

 あくまで「その話題に興味がある人」が集まっているのが面白いですね。特定のテーマに対する知識欲で集まるコミュニティというのは、なかなかないですから。他にも『ちきゅうとあそ部』というCLUBにも参加しているのですが、体を動かすのが好きな人で集まってはいるけれど、読書会ですからみんなで実際に集まって運動をするCLUBではないんです(このCLUBを通じて、実際に一緒にスポーツを楽しまれている方も居られます)。アクティビティの体験を経て「体を動かすとはどういうことだろう」と考えるのが『ちきゅうとあそ部』の醍醐味です。僕は登山が趣味なので、登山をテーマに「自然・自分・自由」の3つのキーワードで整理してお話をさせていただいたことがあります。

ーー登山で「自然」はわかりますが、「自分・自由」ですか?

 中学生の頃に部活で登山をやっていたのですが、正直、当時は楽しいという感覚はありませんでした。私が登山を楽しいと感じるようになったのは大人になってから。当たり前だけど、登山って苦しいし辛い部分もあるじゃないですか。でも今は登山の苦しさも含めて楽しめるんです。それはなぜだろうと考えたとき、誰かに強制されて登らされるのではなく、自分がやりたくて登っているからだと気づきました。つまり、自分で自分にかける制限は、不自由ではなく自由なんです。

 仕事でも、やらされる仕事は不自由で、自分がやりたくて自発的に動く仕事は自由なんだと。そういう示唆を登山から得たことで「自分は今、やらされて仕事をしてはいないか。本当に自分がやりたいことは何なのか」と考えるきっかけになりました。けれどこれは登山をしたからではなく「登山を体験して、考えた」から得た気づきです。

ーーなるほど、納得しました。まさに体験を経て考えた結果ですね。

 そうなんです。これまでも断片的には考えてきたことではあったのですが、こうやってlaboを通じて話すことで、自分の中にこれまで詰め込まれてきた体験や知識がどんどん整理されていくのがとても心地良く、有意義な時間を過ごさせていただいています。

自分の脳内に光をあてて知識を整理していく 

 

ーー今後laboではどういった活動をしていきたいですか?

 TALKに苦手意識があったのですが、チャレンジしてみようと思っています。私は本の内容を自分の中に浸透させて振り返りながら読み進めていくのですが、TALKだとそれができない気がしていて…。けれど今後は、今までできなかった「耳から情報をとる」ことにも挑戦したいです。

TALK:パーソナリティが語る、本にまつわる音声コンテンツ

 あとは、引き続きLIVEやCLUBを楽しんで脳内を整理していきたいです。本で得た知識は、脳の中に分散して納められていると感じます。単に知識で埋まっているだけの脳に、ある一定の角度…つまり一定のテーマをもとに光をあてる。すると、そのテーマに沿って脳内整理ができて、自分が世界をどんなふうに捉えているのかが浮かび上がってきます。光をあてなければそれらは単なる知識群に過ぎず、自分を知ることはできません。今後もLIVEやCLUBに積極的に参加して、自分の思考の整理と共有を楽しみたいです。


編集後記

 

読書好きがオンラインで繋がる唯一無二の読書会コミュニティ、flier book labo。今回は中山さんにお話を伺いました。「自分をより深く知るために、体験を知識で終わらせずに思考に繋げる」は、まさしくlaboの本質であると感じました。

 

 flier book laboにご興味ある方は、以下リンクからlaboの紹介ページに飛べます。まずは気軽に覗いてみてください。