『読書と私とflier book labo』vol.1 ~ 経営者 江角 和沙さん編 ~
フライヤーが主催するオンラインコミュニティ、flier book labo。「自分の可能性を広げる読書コミュニティ」をコンセプトに掲げ、さまざまな業種、性別、年代の仲間たちがオンライン上で集い、書籍の要約から得た気づきや学びを語り合っています。
この記事では、flier book labo会員の方に「あなたにとってのlaboとは?」をインタビュー。flier book laboの楽しみ方は、人によって千差万別。みなさんそれぞれのイメージに近い楽しみ方がここから見つかれば幸いです。
vol.1は、食の体験型サービスを展開するCOM-MA Laboratory株式会社の代表取締役 江角 和沙さんにお話を伺いました。
❏ 多角的な視点を求めlaboに参加した江角さん
会社を退職、起業家の道へ
ーーまずは江角さんの自己紹介からお願いします。
COM-MA Laboratoryという会社で「食体験の新しいサービス」をテーマに事業を展開しています。会社を立ち上げたのは2020年8月で、それまでは食品関連の会社に勤めていました。laboに入ったのは起業する少し前、2020年5月頃ですね。
ーーlaboに入ったきっかけを教えていただけますか?
もともとフライヤーの立ち上げ期に執行役員の久保彩さんから依頼されて、サービス開発のためのインタビューや壁打ちに付き合っていたんです。そこから個人的にもflier book laboに興味を持って入ってみたという縁があります。
自分の哲学をより深めるために
ーーもとよりflierにご縁があったということではありますが、改めて会員としてlaboに参加されたのは、何か目的や理由があったのでしょうか。
一番の目的は、本にまつわる話の意見と視点の交換を行うことでした。昔から読書が好きなのですが、本はひとりで読んだだけでは学びが深まらないと思っているんです。なのでより学びを深めていくために語り合える仲間を作り、コミュニケーションを取りたいという思いでlaboに参加しました。
もう一つの目的は、経営哲学について内省を深めるためです。前職に在職中に起業を決めていたのですが、経営をするにあたって、経営者としての絶対にブレない軸……つまり経営哲学が必要だと気付きました。それで、書籍から学べる偉大な先人たちの教えと、自分自身の哲学を照らし合わせて考えたいという気持ちが芽生えたんです。自分の哲学を極めていくためには一人で考えるよりも、他の人の意見を聞くことで、相対的に自分自身の輪郭をクリアにしていく必要があるなと。
ーー江角さんはもともとビジネススクールに通われていたと伺っています。読書会の仲間はすでにいたのではとお察しするのですが…。
おっしゃる通りで、laboの他にも読書会ができる仲間がいます。でも「経営を志す人たち」の視点だけでは、どうしてもMBAや経営学に偏りがちになってしまうんです。もちろんそれも必要な見識ですが、経営的な視点だけでは「自分の軸を定める」という私の目的は叶わないのかなと感じたんですよね。
その点、laboの場合は単純に本が好きで知的好奇心が高い人たちが集まっています。経営に染まりすぎないピュアな感覚を持つ人たちのお話が聞けたことは、会社の立ち上げに非常に良い影響をくれました。
❏ laboはさまざまな視点が交差する「意見交換」の場
「ディスカッション」ではなく「ダイアログ」ができるのがlaboの魅力
ーーlaboでの読書会とビジネススクールでの読書会では具体的にどう違いましたか?
ビジネススクールの読書会が「討論」の場だとすると、laboは「意見交換」の場ですね。ビジネススクールでは経営的な視点で話が進むので「これが正しくてこれは間違っている」「世の中のニーズはこれだ」といった、正解を決めるためのディスカッションに寄りやすいんです。思考の回路が、判断や決断をするための結論収束型とでも言いますか。外部環境やニーズに対して自分をアジャストしていく、外側に向けた考え方での議論になります。
一方でlaboの読書会は、思考の回路が拡散型なんです。ひとところの視点での思考に留めず、思考を拡散させて問いを深めていくダイアログ(自己対話)ですね。テーマに対してそれぞれが意見を持ち寄り、たくさんの視点での考え方を交換することで「そういう考え方もあるのか」と気付かされ、それによってまた問いを深めていく。その上で「自分自身はどれをバリューに選んで信念とするか」の自省を深めるサイクルです。
laboは組織やチームではなくコミュニティだから、達成する目標や結論を出す必要がないことで、意見の多様性が担保されています。複数の視点が保有されたまま意見交換できて、なおかつ自分自身の内側に向けた考え方ができる場というのが、laboの最大の魅力だと思います。
ーービジネススクールとlaboの両方を経験しているからこそわかる、それぞれの違いや良さですね。
laboでの主な活動
ーーlaboにはTALK、LIVE、CLUBと三つのコンテンツがありますが、江角さんが普段活用されているのはどれですか?
基本的にはLIVEとCLUBです。TALKはそこそこかな。TALKはインプットを求めている人向けと感じていて、私がlaboに求めていたのは対話でありアウトプットなので、自然とLIVEとCLUBが多くなりました。
特にLIVEは、忙しい中でもなるべく出るようにしています。LIVEこそ、私の求めていたダイアログでした。チームで対話しながら意見を交差させ、また新しい問いを見つけるというLIVEのやり方が、自分の中ではもっとも気づきが多かったです。同じように、laboメンバー主催の読書会も、自分自身の引き出しを増やす意味でとても良かったです。
CLUBでは、最近は「ちきゅうとあそ部」という、自然や生命・森林浴などを起点に身体と対話するCLUBに参加しています。
ーー読書のコミュニティなのに、メンタルではなくフィジカルをテーマにしているのは面白いですね!
そうなんですよ。読書が好きな人って思考が好きですよね? でも思考ばかりに寄りすぎず、身体を動かしながらメンタルとフィジカルのバランスを取って自分自身と対話しよう、というのをテーマにしているCLUBです。「思考に寄りすぎない」「思考を偏らせない」は私自身のテーマでもあるので、フィジカルな趣味があるメンバーからの意見は学びが多いんです。
実際にみんなで集まって運動をするとかではなく、あくまで「そういう考え方を持った人たちの集まり」なので居心地がいいですね。中心メンバーは集まってどこかに行くこともあるみたいですが、中心メンバーでない私のような人でもマイペースにCLUBにかかわっていける、排他的でない空気は、なかなか他のコミュニティでは味わえないものだと思います。
❏ 読書を通じて生涯の友人を得る幸せ
laboでの経験が会社経営にも反映
ーー先ほどlaboでの気付きが会社経営にもフィードバックされているとおっしゃいましたが、どのあたりに影響が出ていると思いますか?
会社経営の哲学や、信念の部分です。ひとりで会社を経営すると、自分自身のパーソナリティが会社に乗り移るんですよ。会社のフィロソフィーやカルチャーも、基盤は自分になる。そういった基盤作りに、laboで得た考え方や視点が大きく出ていると思います。laboのおかげで、自分がどういったメッセージ性を持って会社をやっていくべきかの輪郭がはっきりしました。
同時に、いろんな視点があるからこそ、メッセージの発信の仕方に気をつけないといけないと気付かされました。経営者としての倫理観や、他者に心地悪さを感じさせないためにはなどを考える大切さは、laboのコミュニティの運営の仕方がすごく参考になっています。
これからlaboでやりたいこと
ーーこれからlaboでやりたいことや目標などがあれば教えてください。
単純に、もっとlaboに時間を投資できるようにしたいです。もちろん、さらなる意見交換の機会を得たいというのもあるのですが、laboで生涯の友達を作りたいんですよ。
ーー生涯の友達、ですか?
はい。メンバーとの交流が深まってくるにつれて、おそらくlaboの人たちは生涯の友人になってくれるんだろうなという感覚が生まれています。そういうふうに感じられる人たちがいる場所に身を置けるのは、とても幸せなことだと思うんです。なので今よりもっとlaboにかかわって、いろいろなことを語り合える生涯の友達を作りたいです。
実は先日まで、新しいサービスをテスト販売するためのクラウドファンディングに挑戦していましたが、そこでもlaboの仲間が応援してくれ、温かい言葉をかけてくれました。経営者は孤独になりがちですが、読書を通じて繋がっている仲間がいてくれるのは、大変心強いです。私の哲学や価値観を全力で応援してくれる存在というのは、かけがえがないなと、改めて存在の大きさを確認できました。
ーー素敵なエピソードですね。本日はありがとうございました!
❏ 編集後記
読書好きがオンラインで繋がる唯一無二の読書会コミュニティ、flier book labo。今回は江角さんをお招きしてお話を伺いました。生涯の友人となりえる仲間たちとさまざまな視点で意見を交換できることがなにより得難い体験だと語ってくださいました。
flier book laboにご興味ある方は、以下リンクからlaboの紹介ページに飛べます。
まずは気軽に覗いてみてください。
#flierbooklabo